高齢者世帯が4割超へ
高齢者世帯が4割超へ 賃貸オーナーが今から備えるべき“4つの対応”
日本では高齢化が進み、私たちの暮らしだけでなく、住まいを取り巻く環境も大きく変わろうとしています。
これからは、高齢者の方が賃貸住宅を選ぶことが特別ではなくなり、賃貸市場を支える主要な入居者層のひとつになっていくと考えられます。
こうした変化は、物件を所有するオーナー様にとっても決して遠い未来の話ではありません。
「どのような住まいが選ばれるのか」「今の物件のままで大丈夫なのか」を少し早めに考えておくことが、将来の安定した物件運用につながります。
今回は、高齢者世帯の増加を背景に、今から考えておきたい4つのポイントをご紹介します。
今、私たちが置かれている “状況“
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、世帯の4割以上が高齢者世帯になる時代が目前に迫っています。
「高齢者世帯は2020年の2097万世帯から2045年に2431万世帯をピークに増加」
「65歳以上単独世帯は2020年13.2% → 2050年20.6%へ上昇」
(ZENHOREN NEWSより)
さらに、総務省の住宅・土地統計調査でも、75歳以上の高齢者単身世帯が増加し続けていることが確認されています。
こうした複数の公的データから、「高齢者が賃貸住宅を選ぶ時代」ではなく「高齢者が賃貸住宅の主要な入居者になる時代」が確実に訪れることが読み取れます。
賃貸オーナーにとっては、この変化は「課題」と「チャンス」の両面を持つ大きな転換点です。
① 高齢者が“住みやすい物件”への改善
小さな改善が入居率を左右する
内閣府の調査では、高齢者が感じている住宅の問題点として「段差や階段があり使いにくい」(12.7%)が上位に挙げられています。
つまり、段差解消・手すり設置・床材の滑りにくさ改善などの小規模改修は、高齢者にとって“選ばれる物件”になるための重要なポイントです。
② 見守りサービスの導入で安心を提供
高齢者単身世帯は2050年に20.6%まで増加する見込み。
これは「孤独死リスク」「緊急時対応」の重要性が高まることを意味します。
内閣府の調査では、高齢者の入居を断られた理由の61.5%が「高齢のため」であり、「身元引受人がいない」「保証人がいない」などの不安が背景にあります。
見守りサービスや緊急通報システムは、オーナー・入居者・家族の不安を同時に解消する施策として有効です。
③ 住宅セーフティネット制度の活用
高齢者の入居拒否は社会問題化しており、国も「住宅確保要配慮者向け賃貸住宅」の登録制度を整備しています。
内閣府の高齢社会白書では、高齢者向け住宅供給(サービス付き高齢者向け住宅など)が年々増加していることが示されています。
オーナーが制度を活用することで、高齢者受け入れの心理的ハードルを下げ、安定した賃貸経営につなげることができます。
④ ファミリー向け物件の空室リスクに備える
ZENHOREN NEWSでは、夫婦+子の世帯が2020年→2050年で271万世帯減少すると示されており、「単独世帯の増加」「高齢者世帯の増加」により、従来のファミリー向け物件は空室リスクが高まると指摘されています。
一方で、総務省の住宅・土地統計調査では、民営借家に住む高齢者単身世帯が150万世帯以上存在し、今後も増加傾向です。
つまり、「広い部屋」より「使いやすい部屋」が求められる時代に変わってきています。
間取り変更(2DK→1LDK)や設備改善は、高齢者だけでなく単身者全体に効果があるため、空室対策としても非常に有効です。
まとめ
複数の公的統計と分析結果から、今後、賃貸経営は高齢世帯の増加をふまえて柔軟な戦略を取っていくことが必要となります。
“高齢者が安心して住める物件”は、これからの賃貸市場で確実に選ばれる物件です。
高齢者対応は「低コストで効果が高い」施策が多いため、早めに少しずつ準備を進めてみてはいかがでしょうか?
